名古屋工業大学 柴田研究室

研究概要

当研究室では「フッ素」と「有機化学」をキーワードとした研究を行っています。 フッ素原子は水素原子とほぼ同じファンデルワールス半径であるにもかかわらず,全元素中で最も高い電気引性度をもつ特異的な元素です。 そのためこのフッ素を化合物内に導入することで,その特性を大きく変えることができます。 例えば,脂溶性の向上,電子密度の変化,代謝耐性,耐熱性,酸化耐性などをもたらします。 これら含フッ素有機化合物は,医農薬品等の生理活性物質や機能性材料として注目されています。 我々はこの魅力的な含フッ素有機化合物を如何にして構築するか,またこれらがどのような特性を有するかに興味を持ち,日々研究を行っています。
ここで紹介する以外にも様々な研究を行っています。詳細は発表論文をご覧ください。

反応開発

反応開発

現在使用されている医農薬品にはフッ素を含むものが多く、簡便に含フッ素化合物を入手する手法の開発は非常に重要な研究課題です。 そこで当研究室では長年フッ素官能基の不斉導入法の開発や,含フッ素ビルディングブロックを用いた新規合成法の研究を行ってきました。 また非常に強固な炭素-フッ素結合の活性化やフルオラス溶媒を用いた反応開発等,有機フッ素化学に関わる様々な研究テーマに挑戦しています。

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試薬開発

試薬開発

フッ素官能基を効率的に,そして選択的に化合物に導入するための試薬開発を行っています。あらゆる含フッ素化合物を簡便に合成するため,フルオロ基だけでなくトリフルオロメチル基やトリフルオロメチルチオ基等の様々なフルオロアルキル基を求核的に,あるいは求電子的に導入できる試薬を開発しています。既にいくつかの試薬は試薬メーカーから市販されています。

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サリドマイド

サリドマイド

サリドマイドは,1950年代にドイツのグリュネンタール社から販売された催眠薬です。 しかし妊婦が服用すると四肢の短い子どもが生まれるという事件が相次ぎ,販売中止となりました。 ところが1965年,偶然にもサリドマイドがハンセン病の特効薬となることが判明しました。 またその後の研究でエイズや癌など様々な難病に対し効果があることが分かり,現在再び販売が開始されました。 サリドマイドの薬理機構は複雑で未解明の部分が沢山あります。当研究室ではこれらを解明し,副作用のないサリドマイドの開発を目指しています。

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◆サリドマイドに関する研究成果のプレスリリース
サリドマイド催奇性を引き起こすタンパク質の発見 (2021年1月21日)
細胞内での標的タンパク質機能解析に適した新たなケミカルノックダウンシステムを開発
サリドマイドの標的タンパク質への作用が体内代謝で変化するメカニズムを解明
サリドマイドパラドックスを説明
サリドマイドの催奇形性問題を分子レベルで解明
ラセミ化しないサリドマイドの開発

フタロシアニン

フタロシアニン

フタロシアニンとは,1928年に人類が偶然発見した色素であり,ポルフィリンに類似した構造をしていますが,吸収帯がポルフィリンよりも長波長側にあり,青色を呈する色素になります。現在は道路標識や新幹線の青色部分等に用いられています。しかし優れた分光学的特性と電界化学的特性をもつため,近年ではただの塗料としてだけではなく,太陽電池色素や光線力学的癌治療薬等への応用が期待されている機能性色素でもあります。当研究室ではフタロシアニンにフッ素置換基を導入することにより新たな特性をもたせ,新しい機能性材料を目指した研究を行っています。

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本学公式HPで紹介された論文

◆プレスリリース(サリドマイド以外)
フッ素化合物からフッ素のみを除去し分子変換する手法を開発 (2021年06月21日)new
世界中にあるフッ素系農薬を全て探索&解析 (2020年09月04日)
安全にフッ化アシルを製造する新ツールを開発 (2020年05月11日)
含フッ素医薬品を用いる分子変換新技術を開拓 (2018年10月22日)
フロンガスを医薬品に変換する製造プロセスの開発に成功 (2018年07月31日)

◆名工大研究活動ニュース
論文(ACS Catal. 2020, 10, 14117)の成果により,「CAS REGISTRYR Innovator」に認定 (2021年5月11日)
ChemistryOpen誌の論文がFront Cover,Cover Profileに採択 (2021年5月11日)
論文 (Chem. Sci. 2018, 9, 3276) が論文引用数Top 5%著者(2019年)になる (2020年12月4日)
ACS Catalysis 誌に掲載 (2020年11月27日)
iScience 誌に掲載,Front Coverに採択 (2020年07月29日)
ACS Omega誌に含フッ素医薬の総説掲載,Front Coverに採択 (2020年05月21日)
iScience 誌に掲載 (2020年04月07日)
Angew. Chem., Int. Ed. 誌に掲載 (2020年03月31日)
ACS Catalysis 誌に掲載 (2020年02月27日)
Scientific Reports誌に掲載 (2020年01月07日)
iScience誌に掲載 (2019年07月19日)
Asian Journal of Organic Chemistry誌に掲載,Cover Picture, VIPに採択 (2019年05月16日)
ChemistryOpen誌に掲載,Front Cover,Cover Profileに採択 (2019年03月18日)
Nature Communications 誌に掲載 (2018年07月31日)
Chemical Science 誌に掲載,Cover Pictureに採択 (2018年06月18日)
Chemical Communications 誌に掲載,Inside front coverに採択 (2018年06月11日)
Chemical Review誌に掲載 (2018年04月04日)
Chemical Science 誌に掲載,Cover Pictureに採択 (2018年04月04日)
Organic Chemistry Frontiers 誌に掲載,Front Cover Pictureに採択 (2018年03月05日)
ChemPlusChem 誌に掲載,Cover Picture,Cover Profileに採択 (2018年01月25日)
Chemical Communications 誌に掲載,inside cover pictureに採択 (2017年12月13日掲載)
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