生命・応用化学科3年生の皆さんへ                     (文責:中村)

生命・応用化学科では、3年生の終わりに研究室配属を行います。
是非、研究室に直接、見学に来て、いろいろ聞いて欲しいのですが
よく質問されることはあらかじめ記しておこうと思います。

Q1.

A1.
学生実験と同じような実験をするのか?

学生実験はほとんど関係ありません。学生実験は、皆さんが最低限の実験手法を学ぶために行なうものです。
特に前半の有機実験では、皆さんは合成実験を初めて行なうことになりますので、全員で同じ実験をしてもらいます。
後半の有機実験では、ある程度、実験操作も身に付いているので、3グループに分かれて実験をしています。
これら実験は、受講人数が多いため、研究室での合成手法とは、かなり(全く)異なる実験をしています。
研究室では、世界中の誰もが合成したことがない化合物の合成にチャレンジしたりしますし、
そのために各自で実験に創意工夫を施したりします。
Q2.

A2.
どのような研究をしていますか?

是非、研究室に来てその質問をしてください。
簡単にまとめれば、新しい不斉触媒の創製、医薬品候補化合物群の合成・合成手法の開発、有機分子の精密合成法の開発などで、世界最先端の研究を行っています。
Q3.

A3.
就職先はどのようなところになりますか?(or製薬会社に就職できますか?)

就職先は、主に化成品会社、製薬会社、農薬、化粧品会社等の研究者を目指す人が多いと思います。
製薬会社に関しては、質問が多いのですが、
製薬会社は、薬学部が6年制を併設するようになったため、人材確保のために、
工学部にもかなり注目しています。これからさらに製薬会社からの求人も増えてくると思います。

また、合成化学はものづくりの基本となります。
このため、農薬、化粧品、化成品の研究開発でも必ず必要とされる人材を育てています。
Q4.

A4.
大手企業に就職できますか?

最近、よく出る質問です。
これは、当研究室に限らないですが、働く形態にこだわらなければ、名工大の大学院を卒業していれば、トヨタ系、機電系などの大手企業にも就職できます。そして、就職時に大手企業に就職できたと喜んでいる人もよく見かけますが、入社後、自分の武器(得意分野)が無い状態で就職すれば、会社に入った後で、輝きを放つことなく、会社の単なる一員として従属していくことを、しっかり理解しておく必要があります(最近の大企業は、ある一定の人数を、「理系の卒業生で人間性が良ければ、それで良い」といった考えで採用しています。)。
そして、この”単なる理系就職”は、就職後、やりがいを感じず、離職する傾向が高いと感じています。
 大学としては、大手企業に卒業生が入社すると、大学・大学院の入試資料などで宣伝することができますので、大企業への入社を勧められると思いますが、私個人としては、それが本当に個人の幸せにつながるか疑問です。
一番大事なのは職種であり、自らの価値をしっかりと示せる会社に研究者、研究職として就く方が、後々、やりがいや昇進などの面で良い結果になる、と個人的には感じます。
ただし、就職は、本人の希望(勤務地、職種、その他条件)が一番大事ですので、学生の意思が最重要と考え、就職アドバイスをしてます。
Q5.

A5.

博士後期課程に進学したいのですが・・・

博士後期課程に進学したい人は大歓迎です(詳細はこちら)。
当研究室は、名工大内で(多分)最も博士後期課程(博士課程)進学者の比率が高い研究室の一つだと思います。
毎年、博士前期課程の学生が、2−4人ほど卒業し、その内の約1名が博士後期課程に進んでいます。
これは、最先端の研究テーマを自主性を重んじて研究するために、
だんだんと研究の面白さにはまり込んでいくためだと思います。
また、我々の研究分野では博士後期課程修了後、製薬会社での研究職などの
就職先が比較的数多く存在することも,一つの要因だと思います。
博士課程への進学を考慮している場合は、研究テーマや経済的問題も含めた
長期的な視野に立ったアドバイスをしますので是非、個別にご相談ください。
また、これまで博士後期課程に進学した学生6名のうち5名は、日本学術振興会の特別研究員に採択されています。
博士後期課程の学生さんの就職先は、製薬会社(研究職)2名、石油化学系会社(研究職)1名、大手化成品会社(研究職)1名、海外留学(→1年後:大学教員)2名 となっております。
Q6.

A6.
私は有機化学が好きですが、得意ではありません。それでも大丈夫でしょうか?実験が下手なんですけど。

問題ありません。好きならば、身につきます。実験は、真剣に研究をすれば自然にうまくなります。真剣に研究することが大事です。高価な試薬や器具を扱うため、注意力・慎重性も増していきます。
Q7.

A7.
研究室を選択する際に見落としがちなことがあれば教えてください。

研究室は、自分の将来・夢、また、研究の面白さで選択することが多いです。
一点だけ、見落としがちなことを挙げるとするのであれば、教員の年齢です。
大学院を修了するまで(または、博士後期課程修了まで)先生が在籍するかは、当然、考慮するべきファクターですが、卒業後も数年はお世話になる機会が多いです。そういった観点からは、若さも重要と感じます。 


研究室のHPに戻る