堀研では、微生物を対象に研究教育を進めています。
微生物は、一般には病気や腐敗をもたらすものとしてのイメージが強いようですが、生態系においては
分解者生産者の役割を担っており、物質循環の要となっています。すなわち、微生物なくして地球環境は成り立たず、人類の生存もありえません。

堀研では、この微生物の機能を解明し応用することで、感染症を予防する新しい医薬品はもちろん、環境浄化や廃水処理などの環境保全技術の開発を目指しています。



微生物の中でも
バクテリア(細菌)は、1ミクロンほどの目に見えない大きさであり、一つの細胞が一つの生命体を構成する単細胞生物です。




しかし、その機能や能力は我々の想像力をはるかに超えるものです。
例えば、
20分程度で倍に増える増殖速度の速いものがざらに存在し、またダイオキシンやPCBのような猛毒な人工化学物質までも分解してしまうほどの驚くべき物質変換能力を持つものもいます。
またアーキアと呼ばれるバクテリア様の微生物の中には、
100℃近くの熱水中で生きているものもいます。今やDNA鑑定にも欠かせなくなった遺伝子増幅技術であるPCRも、アーキアの耐熱酵素があって初めて確立した技術です。


PCRでよく用いられるTaqポリメラーゼはこの場所(イエローストーン国立公園)から生まれた。


また、バクテリアの細胞は核膜すら有しない原始的な構造ですが、我々人類を含む全ての生物の祖先であり、生命の基本システムを備えています。すなわち、バクテリアを研究することで、生命の神秘や進化の謎に迫ることができるわけです。
このように、微生物は理学的(基礎的)にも工学的(応用的)にも非常に興味深い研究対象です。微生物の研究を通して、科学の発展と人類の幸福、および地球環境保全に貢献することが、堀研究室の追求している道です。

具体的な研究テーマについては「研究内容」の項目をご覧いただくとして、
一人でも多くの方々に、学生として、研究生として、共同研究者として、あるいは研究協力者として、当研究室の研究教育活動に参画、あるいは協力していただけるよう、研究室の主催者として切に願っております。