平成26年度 卒業研究配属学生さんへのメッセージ

140106 神取秀樹

 私たちの研究室は「光といのち」をキーワードとして、百年後に役に立つ研究を展開しています。 君らの先輩の努力により、なかなか面白い研究成果が次々に得られ、国際的な評価も確立しつつあります。

 5年間続いた新学術領域研究「高次π空間」は高い評価を受けて昨年の3月に終了しましたが、幸い今年度から新学術領域研究「柔らかな分子系」がスタートしました。 昨年の8月には本学にオプトバイオテクノロジー研究センターが設置され、年末には設立シンポジウムが盛会のもと終わりました。
 私が提案した、「光といのち」研究の世界拠点形成、という名の概算要求は無事に政府予算として認められました。 このプロジェクトでは、国内外との連携や人材育成が求められますが、私たちの研究室では学振DC1, DC2, PD, SPD に続いて、昨年、RPDと育志賞が出ましたので、若手の学振六冠を達成したことになります。

 一方、このような華やかな実績とは裏腹に、私は昨年、海外で開催された国際会議の招待講演がゼロに終わりました。過去20年近く例のない不名誉なことです。 年間の論文数も危うく1桁で終わるところでしたが、年末ギリギリに10報目が出ました。
 このような事実から、私たちの研究室は外から評価されるほどたいしたものではない、ということも自戒をこめて思っています。逆に言えば、さらなる伸び代があると言えるかもしれません。
 
 今回のメッセージはあえて、B3の学生さんにはほとんどわからないことを書いてみました。ここには研究で世界と渡り合うためのエッセンスが凝縮されています。 興味のあるひとは研究室に来て、先輩たちに聞いてみてください。
 今年はどんな学生さんが配属し、私たちと一緒に研究に関わってくれるか、楽しみにしています。