平成19年度 卒業研究配属を終えての感想 

070929  
神取秀樹@コルフ島(ギリシャ)

  うちのラボではいつの間にか、卒研生の最大の仕事が研究室旅行の企画・運営になりました。研究室ではただ自分の研究に集中すればよいわけでなく、このような研究に直接関係ない行事を通して様々なことを学びます。富士山周辺に出かけた今年の研究室旅行も、卒研生の努力と他のメンバーの協力で、楽しく心に残る旅となりました。雨男である○○さんの存在を覆して富士山の雄姿を見せてくれた卒研生のパワーが研究にどう活かされるか、個人的にたいへん楽しみにしています。
 今回の卒研配属は私にとって全く意外な結果でした。第一部では今年から、応用化学科でなく生命・物質工学科の学生さんが配属することになり、実際に蛋白質を取り扱っている(数少ない)ラボの主宰者として、「たくさんの学生が配属を希望したら困るな」ということを考えていました。私が理想とする大学院生の数は1学年で4〜5名です。ところが蓋を開けてみると、第一部からはわずか2名だけが私のところで研究することを希望し、定員割れとなってしまいました。私自身が自分のラボを人気研究室だと考えていたのは「幻想」にすぎないことが判明したわけですが、個人的には何の危機感ももっていません。相補するように第二部の2名が強い意欲をもってうちで研究することを希望し、結局、今年も4名の卒研生が大学院への進学を確定しました。すでに各自のテーマに沿った研究を開始しており、私自身、何が飛び出すか楽しみにしています。今回、ドイツとギリシャを旅してみて、改めてうちのラボメンバーの素晴らしい研究成果とそれに対する評価を実感することができました(昨日、柴田君は最初の国際会議招待講演を実にしっかりとした発表で終えました)。人気はなくとも、大学院の間に何かを成し遂げてやろうという意欲のある学生が集うようなラボであり続けたいと思っています。