What's CyD?   


●CyD(シクロデキストリン)とは?

シクロデキストリン(Cyclodextrin、以下CyD)はグルコピラノース単位からなるα‐1,4結合した環状オリゴ糖で、1分子中に含まれるグルコースの数が6・7・8のものをそれぞれ、α‐CyD・β‐CyD・γ‐CyDと呼ばれています。
CyDの立体環状構造はバケツのような形をしており、内側はドーナツのように穴があいており、その空間内に他の比較的小さな分子を包接することができ、CyDの持つ最大の特徴と言えます。
CyDのヒドロキシル基はこの空孔の外側にあるため、CyDは外側が親水性、空孔内部は疎水性となっており、疎水性の分子を包接することができます。
そして、この機能を利用することで本来水などの極性溶媒には溶けにくい疎水性の物質をCyDに包接させることで水に溶解させる為や、応用すると分子スイッチのような役割を持つなど、様々なことに利用できる能力を持っています。
また、CyDは光学活性体であるため、一対の鏡像異性体に対して包接しやすさが異なる。すなわちラセミ対鏡像異性体を分離するのに利用できます。