主な論文の概要です。(未完成)


ー未記入ー
Adv. Synth. Catal.2008, 350(9) 1209-1212.



36. Chem. Eur. J. 2008, 14(7), 2145-2152.
イミンへの不斉求核付加反応において、ヘテロアリール基を導入することで高エナンチオ選択的に反応が進行し、光学活性アミン類の合成に有用であることを示した。また分子軌道計算を用いることで,ヘテロアリール基へのキラルルイス酸の配位が重要な役割を果たすことを明らかにした。

35. Chem. Asian J. 2008, 3(1), 88-101.
ベンジルチオカルバメートのα-チオカルボアニオンの高エナンチオ選択的反応の開発に成功した。また,スペクトル解析によってリチウム種の挙動を解析した。

34. Tetrahedron Lett. 200748, 8636-8642.
アルキニルスルフィドのα-カルボアニオンのエナンチオ選択的反応を検討し、世界で初めて高エナンチオ選択的にアレニルスルフィド類の合成に成功した。また、スルフィドの除去も可能であり合成的有用性も示すとともに,ヘテロアリール基が立体制御に重要な役割を果たしていることを明らかにした。。

33. Angew. Chem. Int. Ed.200746, 7648-7650.
スルホンのα-カルボアニオンを用いる初めての高エナンチオ選択的反応の開発に成功した。また,不斉配位子は触媒化が可能であることを明らかにし他。さらに,この反応機構は,αへテロカルボアニオンの不斉触媒を用いる反応で,これまでに報告例のないDynamic thermodynamic resolutionを経由していることを明らかにした。

32. Tetrahedron Lett2007, 48(31), 5565-5568.
光学活性β-アミノ酸の合成として、イミンへのマンニッヒ反応を検討したところ、イミンにヘテロアリール基を導入することで高エナンチオ選択性が得られることを明らかにした。生成物は,再結晶により光学純度を向上させることができ,スルホニル基を除去することで光学活性β-アミノエステル類へと変換できることを明らかにした。

31. Tetrahedron Letters 2006, 47(43), 7599-7602.
イミンにヘテロアリールスルホニル基を導入することで、アミノ酸合成に有用なストレッカー反応において高度の立体制御が可能となる事を明らかにした。

30. Tetrahedron Letters 2006, 47(8), 1337-1340.
光学活性スルホキシドを用い,炭素硫黄結合軸の回転異性体を利用することによって、アルデヒドのトリフルオロメチル化において世界で始めて遠隔不斉誘導に成功した。

29. Tetrahedron Letters 2005, 46(51), 8941-8944.
スルホニルイミンにヘテロアリール基を導入することにより立体制御が可能となる事を明らかにした。世界で初の高エナンチオ選択的なイミンへのさらに光学活性アミン類の合成へと展開した。生成物は,再結晶により光学純度を向上させることができ,スルホニル基を除去することで光学活性アミン類へと変換できることを明らかにした。

28. Chirality, 2005, 17(2), 85-88.
キラルなジアミンを用い、エナンチオ選択的に光学活性スルフィナートを合成することに成功した。

27. Chem. Lett. 2005, 34(1), 76-77.
軸不斉オレフィン類をスルフォドまたはセレニドのα-カルボアニオンを用いることにより、高立体選択的に合成する技術の開発に成功した。

26. J. Org. Chem. 2004, 69(25), 8916-8923.
セレンのα-カルボアニオンの高エナンチオ選択的反応の開発に世界で始めて成功した。

25. Tetrahedron: Asymmetry 2004, 15(19), 3059-3072.
チアゾリジンのα-カルボアニオンを用い、アルデヒド類と反応させることによる高エナンチオ選択的反応の開発に成功した。

24. Org. Biomol. Chem. 2004, 2(15), 2168-2169.
キラルホルミルアニオン等価体として、N-Bocチアゾリジンを用い、高エナンチオ選択的反応の開発に成功した。

23. Tetrahedron Lett. 2004, 45(22), 4213-4216
世界初の高エナンチオ選択的ラジカル環化反応を報告した。

22. Tetrahedron: Asymmetry 2004, 15(9), 1513-1516
ジエチルアルミニウムシアニドをシアノ化剤として用いる初のエナンチオ選択的反応の開発に成功した。

21. Tetrahedron Lett.2004, 45(11), 2399-2402.
スルフィドのカルボアニオンを用い、軸不斉オレフィン類の高エナンチオ選択的な合成に成功した。

20. J. Org. Chem.2004, 69(5), 1581-1589
合成的に有用なジチオアセタールの初の高エナンチオ選択的反応の開拓に成功した。

19. Chirality 2004 16(2), 86-89.
アリールアリルスルフィドのα-カルボアニオンの高エナンチオ選択的反応系の構築に成功した。

18. Chirality 2004, 16(1), 10-12.
フェロセンを含有する有機硫黄化合物を用いる不斉触媒の創製に成功した。

17. J. Org. Chem. 2003, 68, (14) 5766-5768.[
α-ケト-β-シリルスルホキシドへの不斉還元反応を行うことによって、高立体選択的にアリルアルコール類を合成することに成功した。

16. Tetrahderon: Asymmetry 2003, 14(19), 3043-3055.
エナンチオ選択的ラジカル還元反応を行い、高立体選択性の発現系を構築することに成功した。スルホニル酸素の識別による不斉合成手法を開発した。

15. Tetrahedron: Asymmetry 2002, 13(14), 1509-1518
2-ナフトイミンの1位にかさ高いトリイソプロピルフェニルスルフィニル基を導入し、有機リチウム試薬の付加反応を検討したところ、高立体選択的に反応が進行することが明らかとなった。この高立体選択性は、炭素硫黄結合軸の回転障壁に起因することが、X線結晶構造解析、分子軌道計算および低温状態における核磁気共鳴スペクトルによって明らかになった。また、得られた生成物からのスルフィニル基の除去によって簡便な光学活性アミン類の合成法が確立できた。


14. Eur. J. Org. Chem. 2002, (10), 1690-1695.
2-キノリニルベンジルスルフィドのα-カルボアニオンのエナンチオ選択的反応を検討したところ、不斉配位子としてビスオキサゾリンを用いると高エナンチオ選択的に反応が進行することが明らかになった。またこの反応を詳細に検討したところ、Dynamic thermodynamic resolutionで反応が進行し、カルボアニオン炭素の立体を反転しながら反応することが明らかになった。さらに、2-キノリニル基は光学純度の低下を伴わず除去でき、容易な新規光学活性チオールの合成法を開発できた。

13. Tetrahedron Lett. 2002, 43(13), 2381-2383.
固相担持したβ-シリルエチルスルホキシドのα-スルフィニルカルボアニオンにα,β-不飽和エステルを反応させた後、樹脂から切り出しを行うことによって光学活性エステル類が得られることが明らかになった。また、スルホキシドの樹脂への担持において用いるスペーサーが、α,β-不飽和エステルとの反応における立体選択性に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。この反応は、固相からの切り出しにおいても、β位のケイ素原子の特性を十分に生かした非常に特徴ある不斉合成法である。

12. J. Org. Chem. 2002, 67(3), 640-647.
光学活性β-シリルビニルスルホキシドのα-カルボアニオンとアルデヒドの反応を行い、スルフィニルアリルアルコールを合成した後に、スルフィニル基を除去することにより、光学活性プロパルギルアルコール及びアリルアルコールが高収率で得られることが明らかとなった。得られた生成物は比較的簡便にスルフィニル基の除去が可能であった。そこで分子軌道計算を行ったところ、ビニルスルホキシドからのスルフィニル基の脱離をシリル基のα効果、及びβ効果によって加速し、特にβ効果が大きく影響を与えていることが明らかになった。

11. Tetrahedron 2001, 57(40), 8469-8480.
2-アリールスルフィニルベンズアルデヒドへの求核付加反応と2-(アリールスルフィニル)フェニルケトンの還元反応を検討したところ、求核剤としてGrignard試薬を用いた場合、および還元剤としてDIBALを用いた場合に高立体選択的に反応が進行することが明らかになった。この高立体選択性は、カルボニル酸素とスルフィニル酸素の金属へのキレーションによるコンホーメーションの固定化に起因することが示唆された。得られた生成物は、ブチルリチウムで処理することによって、抗ヒスタミン剤である(R)-neobenodineの前駆体を簡便に与えることが明らかとなった。

10. Tetrahedron 2001, 57(31), 6703-6711.
α-セレノエステルのチタニウムエノラートとアルデヒドの反応において、トリフェニルホスフィンまたはホスフィンオキシドを添加することによって高立体選択的にアルドール生成物が得られることが明らかになった。また、セレノケトンの反応においてはトリエチルアミンを過剰に用いることにより高立体選択的に反応が進行した。さらにここで得られた生成物は、水酸基とセレノ基をsyn脱離させることにより、Z-体のα,β-不飽和カルボニル化合物へと導くことができ、新規のZ-選択的α,β-不飽和カルボニル化合物の合成法を提示した。

9. J. Org. Chem., 2000, 65, 8640-8650.
2-ナフトアルデヒドおよび2-アシルナフタレンの1位にかさ高いトリイソプロピルフェニルスルフィニル基を導入し、Grignard反応、向山アルドール反応及び還元反応を検討したところ、高立体選択的に反応が進行することが明らかとなった。この高立体選択性は、炭素硫黄結合軸の回転障壁に起因することが、X線結晶構造解析、分子軌道計算および低温状態における核磁気共鳴スペクトルによって明らかになった。また、得られた生成物からのスルフィニル基の除去によって簡便な光学活性カルビノールの合成法が確立できた。

8. J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 11340-11347.
ベンジルフェニルスルフィドのα-カルボアニオンに不斉配位子としてビスオキサゾリンを用いてカルボニル化合物との反応を行ったところ、高エナンチオ選択的に反応が進行することが明らかになった。この反応を詳細に検討したところ、dynamic kinetic resolutionで進行することが明らかになった。また、アリール基をフェニル基から2-ピリジル基に変換して反応を行ったところ、フェニル基の場合とはα位の立体が逆転した生成物が高エナンチオ選択的に得られた。このピリジルスルフィドの反応を詳細に検討したところ、dynamic thermodynamic resolutionで反応は進行していることが明らかになった。また、分子軌道計算を行い、反応機構の解明を行った。

7. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 2000, 3143-3148.
これまでに、高い立体選択性の得られた例がないγ-ケトスルホキシドの還元反応において、当研究室で以前に開発した光学活性トリイソプロピルフェニルスルホキシドを導入し、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを還元剤として用いることにより、従来では得ることのできなかった高ジアステレオ選択的還元反応の開発に成功した。また、この反応は、スルフィニル酸素とカルボニル酸素の両方にアルミニウムが配位した7員環キレーション構造を経由することによって高立体選択性が得られることが示唆された。また、スルフィニル基を除去することにより光学活性ホモアリルアルコールの簡便合成法を明らかにした。

6. Tetrahedron Lett. 2000, 41, 4157-4160.
炭素硫黄結合軸の回転障壁を利用した初めての不斉合成反応として、2-ナフトアルデヒドの1位にかさ高いスルフィニル基を導入し、Grignard試薬との反応を検討したところ、高立体選択的に反応が進行することが明らかとなった。この高立体選択性は、炭素硫黄結合軸の回転障壁に起因することが、X線結晶構造解析および低温状態における核磁気共鳴スペクトルによって明らかになった。また、得られた生成物からのスルフィニル基の除去は簡便にでき、光学活性カルビノールを合成できた。

5. Angew. Chem. Int. Ed., 2000, 39, 353-355.
スルフィドのα-カルボアニオンのエナンチオ選択的反応の検討として、ベンジルフェニルスルフィドに不斉配位子としてビスオキサゾリンを用いて反応を行ったところ、求電子剤としてカルボニル化合物を用いることによって、高エナンチオ選択性の発現に成功した。これはスルフィドのα-カルボアニオンにおいて高エナンチオ選択性を発現した初めての例である。また、反応を詳細に検討することによって、この反応は、dynamic kinetic resolutionで進行することを明らかにした。また、アリール基をフェニル基から2-ピリジル基に変換して反応を行ったところ、フェニル基の場合とはα位の立体が逆転した生成物が高エナンチオ選択的に得られた。

4. J. Org. Chem. 2000, 65, 1758-1766.
光学活性β-シリルエチルスルホキシドとα,β-不飽和カルボニル化合物の反応を検討したところ、高立体選択的に1,4-付加反応が進行することが明らかになった。また1,4-付加反応後にアルデヒド等の求電子剤と添加すると、新たに生成する不斉点を完全に制御して反応が進行することが明らかになった。さらに、分子内に脱離基を有するα,β-不飽和エステルとの反応においては、1,4-付加環化反応が進行し、ただ一つのジアステレオマーとして環化生成物を得ることができた。また、全ての生成物からスルホキシドの脱離は容易に進行し、高収率で光学活性なエステル類の合成に成功した。

3. J. Org. Chem. 2000, 65, 469-474.
光学活性β-シリルエチルスルホキシドとケトン、リン酸トリメチルとの反応を検討したところ、スルホキシドのα位の立体を高度に制御して反応が進行することが明らかになった。またこの高度の立体選択性の発現には、スルホキシドのβ位にシリル基が必要であり、分子軌道計算を用い反応機構を詳細に検討した結果、反応の遷移状態においてβ位のケイ素原子と酸素原子が相互作用することにより安定化が起こり高立体選択性を与えていることが明らかになった。

2. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 1999, 3403-3404.
光学的に純粋な菊酸の合成法の開発を目的とし、光学活性β-シリルエチルスルホキシドと4-メチル-2-ペンテン酸エチルの反応を検討したところ、β-シリルエチルスルホキシドが、1,4-付加した後に分子内環化反応が進行した環化生成物を得ることができた。またこの環化反応は脱離基として塩素原子を用いると高収率で環化生成物を得ることができた。また、この環化生成物からスルフィニル基を除去した後にオゾン分解を行うことによって、菊酸前駆体であるtrans-2-ホルミル-3,3-ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルを光学的に純粋に得ることができた。

1. Synlett 1997, 449-450.
光学活性β-シリルエチルスルホキシドとα,β-不飽和エステルの反応を検討したところ、高立体選択的に1,4-付加反応が進行することが明らかになった。また分子内に脱離基を有するα,β-不飽和エステルとβ-シリルエチルスルホキシドの反応においては、1,4-付加反応が進行した後に分子内求核置換反応が進行し、ただ一つのジアステレオマーとして環化生成物が得られた。また、環化生成物からのスルホキシドの脱離は容易に進行し、高収率で光学活性なエステル類の合成に成功した。





有機合成化学協会誌,2002, 60(2), 115-124.
光学活性β-シリルエチルスルホキシドとケトン、リン酸トリメチルとの反応を検討したところ、スルホキシドのα位の立体を高度に制御して反応が進行し、この高度の立体選択性は、反応の遷移状態においてβ位のケイ素原子と酸素原子が相互作用することにより発現したことが明らかになった。またβ-シリルエチルスルホキシドとα,β-不飽和カルボニル化合物の反応を検討したところ、高立体選択的に1,4-付加反応が進行することが明らかになった。1,4-付加反応後にアルデヒド等の求電子剤と添加すると、新たに生成する不斉点を完全に制御して反応が進行することが明らかになった。さらに、分子内に脱離基を有するα,β-不飽和エステルとの反応においては、1,4-付加環化反応が進行し、ただ一つのジアステレオマーとして環化生成物を得ることができた。また、全ての生成物からスルホキシドの脱離は容易に進行し、高収率で光学活性なエステル類の合成に成功した。

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