学生の内に身に付けて欲しい研究力について

研究を一生懸命頑張ると研究スキル (能力・技能) が高まります。
学生の間に、是非、研究活動を通して高めて欲しい10種の研究スキルを下記に記します。

1.調査力
論文や本、インターネット、その他の情報技術や人間関係を使って、自分の知りたいことをしっかり調査する力。
一流の研究を行うには、狭い分野でも良いので「世界の誰よりも、私が知っている」状態になる必要があります。

2.理解力
これまで知らなかったことや理解できなかったことを、論文や本を読んだり、人に話を聞いたりして、内容について正しく理解をする力。

3.問題発見力
世の中にある問題・課題を発見する力。自ら研究の問題点・欠点を発見する力。興味を持って、しっかりと物事を観察する力。

4.問題解決力
発見した問題に真摯に向き合い、その事象が起きている理由を仮説を立てて考え、自らアイデアを出して解決する能力。

5..実行力
問題解決法の実証に向けて、実際に行動する力。 集中してやり抜く力。

6.考察力
仮説とその実験結果から、自分の頭で考えて理解し、問題が生じた理由を深く考える力。
一旦考えた問題解決法を修正する力。

7.応用力
結果や手法を違う分野に応用する力。発見した事象をより広範囲の技術へと拡張する力。

8.表現力
相手のバッググラウンド (背景・専門分野など) を考えて、情報を伝え、論理的に表現する力 。相手に理解させやすくする能力。

9.教育力
相手の状態 (理解度等) と到達目標を考えて、相手にしっかり伝え理解してもらう力。
相手の現在の状態を見極める力。

10.リーダーシップ力
周りの人と協力・分担しながら、研究や活動を進める力。人に気遣う能力。
また、適材適所で人員を構成し、うまく研究をアレンジしたり、進行したりする能力

これらの力が研究スキルであると考えています。
最初から、この能力をすべて持っている学生さんは、居ません。
この能力は自ら鍛えることによって、身に付けることができるもので、
時間が経ち、学年が上がると自然に身に付くものではありません。
(つまり、磨かなければ、身につかないまま卒業し、社会に出ていく。)

もちろん、学生によっては得意な力・苦手な力があると思いますので、
それぞれの力をバランスよく伸ばすことが重要で、そのように学生教育をしています。