小原(林)睦代( 大塚製薬株式会社 創薬化学研究所 研究員)
平成27年度 未来材料創成工学専攻 博士(工学)取得
自己紹介
私は2009年から6年間中村研究室に在籍し、2015年3月に博士後期課程の学位を取得致しました。
その後、2015年4月に大塚製薬株式会社に入社し、現在、創薬化学研究所にて創薬研究(探索合成)に従事しています。
私の大学入学当初からの夢は、製薬会社の研究職に就いて新薬を世に出す事でした。
私は名工大の“ものづくり”の精神を学び、新薬を生み出す原点である“合成化学”を専攻することに決めました。
また、製薬会社の研究職の採用では博士課程出身者が多いという現実、また、0から研究の種を見つけ出し、研究成果を世に示す(論文執筆・投稿)という経験が、新薬を見つけ出し、世に送り出すという夢を叶える為の術になると考えました。
そこで私は迷うことなく、博士後期課程進学を決めました。
中村研究室では、有機化学を通して国際学術誌への論文投稿の他、特許申請や学会発表も行い、研究室内外の研究者と交流する機会が充実していたと感じています。
研究以外にも、博士後期課程の学生として研究室内のマネージメントや、先輩後輩とのコミュニケーションを通した人間関係の構築からも経験豊富な学びを積み重ねることができたと思っています。
仕事内容
大塚製薬は、「世界の患者さんへ新しい治療薬を提供する医薬関連事業」と「健康な人をより健康にする製品を提供するニュートラシューティカルズ関連事業」の両輪で、革新的で創造性に富んだ製品の研究開発、生産、販売を行っています。
私は入社して以来、医薬関連事業の中でも、新薬開発の原点である創薬研究(メディシナルケミストリー)に携わっています。
世界の患者さんに貢献する新薬を提供するため、化合物の新規性だけではなく、物性、薬物動態、安全性等も考慮してデザインを行い、生理活性物質の合成展開を行う必要があります。
そのために有機化学の専門知識だけではなく、薬理学や薬物動態学等、様々な分野の知識も必要とされ、これら分野の研究者とコミュニケーションを密に行うことが研究を進めるうえで重要となります。
また、目まぐるしく変化する医療環境に対応する努力も欠かせず、毎日非常にやりがいを感じています。
学生へのメッセージ
私はこれまでの常識を覆し、新しい発見をし、またそれが周りに認められたとき、これまでにない最高の喜びを感じる瞬間を博士後期課程在学中に経験することができました。
博士後期課程ではもちろん苦しいことが多かったですが、それ以上に、研究に携わり、新しい発見と日々向き合えることができる毎日を幸せだと感じることができます。
博士後期課程進学が夢を叶えるための、あるいはやりたいことをやるための通過点となり、学生のみなさんの人生の選択肢が大きく広がることを願っています。
人生二度なし。
自分のやりたいことを素直に思い切ってやってもらいたいと私は応援しています。
関連リンク
大塚製薬株式会社
Chem Stationインタビュー