林 真志( 大塚製薬株式会社 生産技術部(原薬担当)生産技術科)

平成26年度  未来材料創成工学専攻 博士(工学)取得

自己紹介
私は2005年4月に名古屋工業大学に入学し、2008年から6年間中村研究室に所属し2013年3月に博士後期課程の学位を取得しました。
その後2014年4月に大塚製薬株式会社に入社して以来、医薬品原薬の生産技術に携わる仕事をしています。
大学学部時には有機化学、無機化学、分析化学、高分子化学、生体化学など幅広い知識を学び、研究室配属では、分子レベルで新しい化合物を合成できる有機合成化学に興味を魅かれ中村研究室を希望しました。
博士前期課程を含めた研究では、新しい化合物を生み出す楽しさや反応条件の設定の大切さを知りました。
そして、研究の楽しさや大切さを学んだ私は“研究室の基盤となるような研究をしたい”と思い、博士後期課程進学を決めました。
博士後期課程では、研究に対する姿勢(論文、学会、特許)や研究室のマネージメント、後輩とのコミュニケーションなど、様々なことから学び得ることができ、科学者としても人としても成長出来たと感じています。

仕事内容
大塚製薬は、疾病の治癒を目指し新しい治療薬を提供する「医薬関連事業」、日々の健康維持・増進のための製品を提供する「ニュートラシューティカルズ事業」の両輪で、「人々の健康をカラダ全体で考える」トータルヘルスカンパニーとして、人々の健康に貢献しています。
私は入社して以来、「医薬関連事業」の中でも、創薬探索研究等から上がってきた開発候補化合物(医薬品原薬)の製法の検討・スケールアップの検討(プロセス研究)を行う部署で働いています。
私の所属している部署では前臨床試験から各臨床試験(PhⅠ~Ⅲ)、FDAなどの当局への申請、その後の商用生産のフォローまで長期間にわたって医薬品原薬を取扱い、その量は数g~数百kgに及びます。
また、開発初期段階では原薬のタイムリーな供給・安全が、開発後期及び商用生産の段階では品質・安全・コスト・環境対策・安定供給など堅牢なプロセスの構築が求められます。
これらを成し遂げる為に、有機化学、生化学、化学工学、統計学、各種分析法の開発の他にも、最先端の技術導入の検討も行います。
さらに、GMPなど各ガイドラインの法令順守や他部署との連携を図りながら日々仕事を進めています。

学生へのメッセージ
私は学生の皆さんに対して、自身の考えをしっかりと述べることができるようになってほしいと思っています。
その為には、自分が努力を重ねて追求してきた研究を自信を持ってプレゼンテーションし、質疑応答にも的確に答えることができるようにしておくといいと思います。
また、企業では他の部署や企業の方と関わる機会が少なくありません。
学生の頃から、学会や講演会等へ参加し、留学などの機会もあれば積極的に利用して、様々な経験を重ね、自分が専門としている分野内外の人たちとコミュニケーションを図るよう心掛けてほしいと思います。


関連リンク
大塚製薬株式会社