SWNT の XRD シミュレーション


バンドル
単層カーボンナノチューブはファンデルワールス力により凝集し、バンドルを形成する。図のように2次元結晶(六方晶)構築している。

分子構造因子
C60のときと異なり、自由回転していないがランダムオリエンテーションの状態にあると考えられ分子構造因子 SM は円筒状の殻に乗った炭素原子の散乱因子の和となり、これは 0 次の円筒ベッセル関数 J0 を用いて次のように表せる。

SM(s) = fc(s)J0(QR)

ここで、Rはチューブの半径、s = sinθ/λ、Q = 4πs。

fc(s)は炭素原子の散乱因子で

fc(s) = Σ ai exp(-bi s^2) + c

a1 = 2.31, a2 = 1.02, a3 = 1.5886, a4 = 0.865

b1 = 20.8439, b2 = 10.2075, b3 = 0.5687, b4 = 51.6512

c=0.2156

のように表せられます。(International Tables for Crystallographer)

C60の球状ベッセル関数と異なり、解析的に書けないので、私は技術評論社から出ている「Numerical Recipes in C」(W. H. Press ら)を参考に数値計算することにしました。


実行ソフト
実行ファイルはこちらです。


スクリーンショット
スクリーンショットはこちらです。 青色が実測データ、ピンク色が計算回折強度です。


ソースファイル
ソースファイルのおもな部分はこちらです。