C60 の XRD シミュレーション


fcc C60
C60分子が面心位置を占める。室温、1気圧下ではC60分子が高速回転していることが知られている。

分子構造因子
C60が自由回転している(あるいはランダムオリエンテーションの状態にある)とすると分子構造因子 SM は球状の殻に乗った炭素原子の散乱因子の和となり、これは 0 次の球状ベッセル関数 j0 を用いて次のように表せる。(P. A. Heiney et al., PRL, 66, 2911, (1991))

SM(s) = 60 fc(s)j0(QR) = 60 fc(s) sin(QR)/QR

ここで、RはC60分子の半径、s = sinθ/λ、Q = 4πs。

fc(s)は炭素原子の散乱因子で

fc(s) = Σ ai exp(-bi s^2) + c

a1 = 2.31, a2 = 1.02, a3 = 1.5886, a4 = 0.865

b1 = 20.8439, b2 = 10.2075, b3 = 0.5687, b4 = 51.6512

c=0.2156

のように表せられます。(International Tables for Crystallographer)

実行ソフト
実行ファイルはこちらです。


スクリーンショット
スクリーンショットはこちらです。青色が観測データ、赤色が計算した回折強度、ピンクは分子構造因子にそれぞれ対応します。


ソースファイル
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